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kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『岡山人じゃが』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに16年間で約380点を出版。岡山ペンクラブ会員、NPO法人アートファーム理事。岡山商工会議所岡山文化観光検定試験実行委員。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」火曜日パーソナリティー。

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18年目の吉備人出版が目指すところ…

2012.05.10 00:05|地域出版の現場
18年目の吉備人出版が目指すところ…


2月末決算の小社は、4月末にその処理を終え、会社としてはやっと新しい期のスタートを切ることができた。
本来なら3月から新しい期はスタートしているので、今更という感じがしないでもないのだが、
決算の数字を分析、総括しなければ、方針が立たない気がする。
さて、連休前から今期の課題、目標、アクションプログラムを考えているのだが、
連休が明けてなんとなく見えてきた。

それは、
「本をつくる」「本を売る」だけのところは岡山でもあるけれど、「著者の意向(願い)を汲み取って」「その期待以上の本をつくり」「その本を多くの人の手にとってもらえるようにさまざまな努力を重ねる」存在でありたい−−ということだ。
つまり「読者を創造する出版物」を出版する会社になること。

「読者を創造する」というのは、編集面だけでなく、その本の販売において読者のもとにいかに情報を伝達し、読者との接点をつくり出すことでもある。
現在のような時代だから、つくればガンガン売れるものではない。
しかし、その本を求めている人がいるところを探し出し、確実に届けることは必要だ。

こうした本をつくり続けるためには、「誠実な対応」と「情熱にあふれた提案」が大切だと思う。
それは一つひとつの本に、全力で向き合うということなのかもしれない。

「あなたの本を読みたいんだ」という思い、「この本をたくさんの人に読んで欲しい」という思い、
この二つを両方きちんとやり遂げることが、吉備人出版のような地方の小さな出版社の特色にしなければと思う。

これって、17年前に吉備人出版を創業したときに描いた「仕事」のイメージだったような気もする。

今年も、xこんな熱い思いをもちながら何人の人と本づくりができるだろう。

草刈り黄金週間

2012.04.30 23:04|地域出版の現場
28日の土曜日は午後から出版相談会。
連休スタートの土曜日だから、さすがに紀伊國屋書店クレド岡山店の入っているクレドビルにも人がたくさん。
といっても、相談者はこの日はゼロ。
相談に来そうにないので、店内の棚を久し振りにゆっくりと見て回れた。
ちょうど樋口有介の新刊文庫が出ていたので中公文庫のコーナーをのぞくと、
読んでいなかった目当てのものとは違う樋口作品があったので、連休用に2冊買ってしまう。

あとビジネス書のコーナーで物色していたら、新刊で『一生モノの顧客を獲得する方法〜個人事業主・士業のためのパーソナルブランディング』(河本芙美子・ダイヤモンド社)が目にとまり購入。
相談を受けている士業の営業促進、PRに役立ちそうと思いながら読んでいたら、自らの仕事にも置きかえて読むことができた。
しかし、それにしても若い女性でコンサルタントとかPRのこういう分野で活躍している人って本当に大いなあ。

日曜日は大佐へ。
田植え前に田んぼの草刈りとやっておこうと出掛けたが、岡山道に入る前に渋滞。
覚悟はしていたが、先が思いやられる。
賀陽ICから有漢ICまでノロノロ。表示では「5キロの渋滞」とあったが、
5キロなら一般道に迂回する必要もないかもしれない。
それでも、普通なら1時間15分で着くところが、2時間近くかかってしまう。

午後から田んぼ周辺の草刈り。
義兄が前日から準備してくれているので、
草刈り機も整備済み。
一発でエンジンがかかり、快調に刈り進む。
とはいえ、1反8畝ほどある長方形の水田の長辺と短辺の草を刈り、刈ったくさを片付けると約3時間。
2日目の今日は、首筋も肩も腰も悲鳴を上げている。
それでも、2日間でとりあえずの準備は済んだ。

今日月曜日の3時過ぎに大佐を出て岡山へ。
帰りは快調に進み、そんな飛ばさなくても1時間ちょっとで岡山着。

明日は午前中、税務署、県民局、市役所、銀行を回って決算事務処理。
午後からは事務所のレイアウト変更。
2日間の予定だけれど、早く済ませないと、連休明けからの仕事に響く。
しかし、筋肉痛になりそうだなあ。

120430草刈り1

若い二人に

2012.04.26 17:39|地域出版の現場
編集プロダクションを始めたという若い男性二人が、先日営業に来た。
社長のMさんはおしゃれな雑誌編集長の経験者、もう一人もMさんで、こちらは関西の編集プロダクションで経験を積んだ書籍編集者。
どちらも30歳前後。

広告や情報誌の編集・下請け仕事をやりつつ、いずれは自分たちで雑誌や本を出したい、という希望をもっているそうだ。

話を聞きながら、17年前の自分たちのことを思い出していた。
吉備人をつくった当時、ぼくらもS新聞社出版局の下請け、K情報の編集、制作の請負などをやりながら、
いずれは自社の本を出そうとスタートした。

それでも思いのほか早く自社出版物を出すことができ、
下請け仕事より主体的に本を出すことを柱に据えるほうが、営業的な計画も立てやすいと踏んだからだ。
それが正しかったかどうかはわからないけれど、
書籍を中心として編集プロダクション業務と出版の両輪でなんとか18年目の春を迎えることができた。

感じのいい二人だったし、キャリアも積んでいて、まじめそうなので、一緒に仕事をしてみようと思った。
ちょうどデザイン性を求められる単行本のプロジェクトがスタートするので、
その制作の相談に彼らの事務所を訪ねた。
岡山の街のど真ん中に位置する、古い雑居ビルの2階。
玄関正面に4人がけのミーティングテーブル、その奥に大きなワーキングテーブル。
4人が座れるくらい。
お世辞にもおしゃれとはいえないが、すっきりとシンプルにまとまっていて、
へんにカッコつけていないところが好感を持てた。

編集制作の見積を依頼して、少し雑談をした。
営業や書籍の販売方法について、わかる範囲で、
こうすればもっとよかったという自分自身の反省点も含めて細かく説明したつもりだ。

話しながら、正直商売相手、競合することにもなるのだろうけれど、
頑張ってほしいなあ、応援したいなあという気持ちになった。
一緒に仕事をする機会があれば、いろいろ伝えることもできる。
少々しんどくてもつきあってくれれば、少しくらい役に立つことがあるかもしれないよ。

決算を終えて…

2012.04.22 09:53|日曜の朝に
昨日からの予報通り、朝から雨と風。
合羽を用意して散歩に出る。
予想ほど雨は激しくなかったが、荒れ模様の天気であることには違いない。
今日は一日こんな暗い日になるのだろうな。

昨日、お願いしている税理士さんから決算の最終データについての連絡があった。
小社は2月末が決算で、約2カ月後のこの時期にいつも最終決算報告が出る。
結果は、「まあまあ」ってところかな。いわゆる「減収増益」っていうのだろうか。
「売上」は下がったけど、「利益」は出ているという。

こんなふうに書くと、なんだか「吉備人はもうかっているの」って思われそうだが、
そんなこともない。
このへん書き方が難しいところで、
「儲かっている」と思われると、それは完全に「事実とは異なる実態」だし、
かといって、「赤字を出している」ということになると、
仕事先や銀行の信用が低下する。

僕としては1年間仕事をしての結果報告だから、
黒字もあれば赤字になることもあるのが当たり前だと思っていた。
ところが、やり繰りが厳しいので銀行から借り入れなどいていると、
赤字の決算書を見せると、とたんに薄情なことをいう。
こちらとしては、赤字だからお金を貸してほしいのに、
金融機関は「赤字会社にはお金は貸したくない」ということになる。
それでも「貸してほしい」というと、「金利」の条件が極端に悪くなる。
そうすると余計に経営を圧迫する。
苦しいときにはそれこそ、気前よく低金利で、ごちゃごちゃ言わずに貸してくれればいいのに…と思うのだが。

そういう経験から、まあできれば決算は黒いほうがいいと思うようにはなった。
とはいえ、昨年の決算は、どうあがいても「赤字」で、
税理士さんからも「抜本的」な経営改革をアドバイスされ、
この一年間はいろんな経費をかなり切り詰めた。

その結果、「売上」は伸びなかったが、切り詰めた分だけ赤字部分は解消したというわけ。
東日本の大震災もあったり、こういう経済状況が続いているので、
まあ、良しとしよう。

3月から新しい期がスタートしていて、すでに2カ月が過ぎようとはいているが、
これからが新学期が始まる気分。18年目になるが、今年はいろいろなことを試してみようと思う。
その第1弾が事務所のレイアウト変更。事務所スペースを少しコンパクトにして、その分書棚スペースを大きくとり、来客者にゆっくり本を閲覧してもらうようにする(もちろん買っていただけます)。
編集スペースのすぐそばに本のショールームという感じにしたいのだが、丸の内に転居して初めての大幅なレイアウト変更。気分転換にもなるし、たまったゴミもこの機会に処分しよう。

連休明けには少し雰囲気の違った事務所になっているはず。
どんなふうになっているか気になる方は、ぜひいらっしゃってください。

そうそう、心機一転といえば、眼鏡を変えた。
暮れの健康診断で視力が落ちていて、今年の免許更新が危うくなったからだ。
フレームは、ちょっとクラシックなデザイン。
25年ほど前にかけていた眼鏡もこんなフレームだった、と妻に指摘された。
好き嫌いというものは、あまり変化しないものらしい。

120422ブログ写真
なんだかいつもと顔が違うなあ…








「聞き書き」と「自分史」

2012.04.15 00:25|地域出版の現場
4月から「自分史セミナー」の講師を始めた。
かつての職場だった岡山リビング新聞社の事業担当者から
「カルチャー俱楽部で自分史の講座しませんか?」と打診されたのがきっかけだが、
3年続いた週に一度のラジオの担当も外れたこともあり、
月に一度くらいの講座ならそれほどたいへんでもないだろうとその気になった。

月曜日に1回目の講座があった。生徒は女性ばかり3人。
講義形式ではなく、ワイワイガヤガヤと和やかな井戸端会議的な講座になりそうだ。
セミナーを始めるにあたって、自分史編集に関する参考書を数冊見直した。
なんと、10冊近い自分史関連の本が書棚にあった。
以前から興味と必要性の両方を感じていたので、
これはという自分史関連(中には個人史とか回想記、自伝などという呼び方のものもある)の本は買い集めていたのだと思う。

「自分史」という言葉に初めて出合ったのは、25年ほど前になる。
三重県津市で地方紙の記者を3年、岡山にもどって生活情報紙の編集者を4年やって、
妻の実家がある県北新見の備北民報というローカル新聞社の出版部に入った。
そのころ創業30年を迎えた同社が出版部をつくることになり、それに応募したら採用された。
とはいえ、それまで本の編集・制作の経験はなかった。
新聞の記事を書いたり、見出しをつけたり、レイアウトするのとはまったく違う仕事だ。

入社してすぐ本づくりの仕事が入ってきた。
元学校の先生だった明治生まれの女性の自分史だった。
ノートに書きためたものも少しはあったが、大半は聞き書きで文章にまとめることが必要だった。
2週間に一度その著者の自宅で、約2時間話を聞く。
次のときには聞いた話を原稿にまとめ、それを確認してもらい、また話を聞く。
そんなやりとりを半年ほど続け、四六判200ページほどの自分史は完成した。

本を作るのも初めてだったが、まるごと一冊分の分量の原稿を書いたのも初めて。そしてこの原稿を書くにあたって当時出始めたワープロを買い、それを使い方をマスターしながらの作業だった。
おかげでずいぶんいろんなことを身に着けることができた。

これが本づくりの「原点」だったためか、
それから「聞き書き」と「自分史」という2つの言葉が、ぼくの身体から離れない。
昨年4月からスタートした「聞き書き人の会」も7,8人のメンバーで2年目に入った。
先日の例会で、今年は作品集を作ろうという話になった。

「聞き書き」と「自分史」、大切な柱だ。