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今朝の一冊 365日

昨年11月から毎朝、棚から一冊の本を取り出し、写真を撮影し、簡単な文章を添えてFacebookにアップします。タイトルは「今朝の一冊」。
約200文字から300文字。時間にして15分から20分。
出たばかりの例えば『すいません、ほぼ日の経営』とか箕輪厚介『死ぬこと以外かすり傷』などは、発行日の日付と同じタイミングで紹介しています。
小学校時代に読んだケストナーや後藤竜二なども取り上げました。
雑誌や図書館で借りた本の場合もあります。
本の紹介だけでなく、その本を手にしたきっかけやその本にまつわる私事を書くこともあります。
で、この22日で丸一年。。一日も休まず書き続けています。
何度かやめようかなとも思ったのですが、
紹介した本を「読んでみます」と書き込みがあったり、「私も大好きな作家です」などというコメントも。
時には「この著者は最近ヘイト本を書いているよ」を忠告されたこともあります。
学生時代の友人や若い仕事仲間、一冊の本を介していろんな人と交流できます。
と同時に、自分の書棚にある本一冊一冊が自分自身なのだなと、つくづく感じます。
あるときから「今朝の一冊」を書きながら、「これは本という名の自分史、自伝なんだ」と思うようになりました。
いつごろ、何を読み、何に感動したのか。
新聞記者時代に影響を受けたノンフィクションの名作、高校時代にチャレンジした古典、長編。
大学時代の社会科学やサブカルチャー。
出版をはじめた頃に読みあさった先人たちの苦労話。
一人前の人間に育ててくれるもののひとつ、それが本ではないかと思うのです。
私たちは、その一冊を産み、それを届けることで営みとしている仲間です。
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鳥の劇場の奇跡!?


芝居とビジネス
今朝の一冊
飯田亜弓『芝居ビジネス』

芝居、演劇を仕事にして生活していくことは、想像するだけでも難しいことはわかる。
団員たちは、好きな芝居をするために、ふだんはアルバイト生活などと聞くこともある。
舞台公演で成り立っている劇団は劇団四季だけという話も聞くが、本当なのだろうか。

鳥取市鹿野町の「鳥の劇場」は、収容人数200人の常設の劇場であり、
役者、制作スタッフら合計15人の団員を抱える劇団でもある。
この「鳥の劇場」をより多くの人に知ってもらい、この劇場に足を運んでほしいという目的で、
鳥の劇場運営委員会のWEBサイトをつくっている。
廃校をリノベーションした劇場で11年前から作品をつくり、地域を巻き込んだ芸術文化活動は、
とてもドラマチックでおもしろい話がいっぱいある。
何より驚くのは、主宰の中島諒人さんらすべてのスタッフが、この劇場・劇団での仕事で生活を成り立たせているということ。「芝居ビジネス」の成立している点でも貴重な存在だ。

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ペリカンの万年筆

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V・G・チャイルド著/近藤義郎・木村紀子訳『考古学とは何か
たまに地方出版の話をとお誘いを受け、会合に顔を出させていただき、1時間ほど話をする。
吉備人出版の話をする際、これまでおつきあいのあるいろんな方に登場していただくことになるが、登場回数の多いひとりが考古学の近藤義郎先生。
岡大を退官されてまださほど時間が経っていなかったので、70歳を過ぎたばかりで、まだお元気だった。
その圧力に圧倒されっぱなしだった。
自宅へお邪魔するようになってしばらくしてこの本をいただいた。
考古学の「こ」の字もわからない新米編集者への気遣い、いや少しは勉強しておけよという叱咤だったのかもしれない。
手渡される際、緑色のペリカンのキャップをあけサラサラっとサインをしてくれた。
その手際というか、自然なサインの仕方にしばし見入ってしまった。
それから10年くらいたったころだろうか、
表町を歩いていると、「小野万年堂」という店名だったと思うが、万年筆の専門店があり、もう店を閉めるので、閉店セールをしていた。
ちょっとのぞいていこうと店に入り、モンブランやシェーファーなどショーケース越しに有名な万年筆を眺めていた。
近藤先生が愛用していたペリカンの緑色と黒色のしま模様の、あの万年筆があった。
「スーベーレンM400」というらしい。
閉店セールでずいぶん安くなっていたが、それでも3万円ほどはした。
買う気はなかったのだが、一緒に見ていた妻が「買えば」と言う。
そうか、万円筆の一本も持っていたいと、買うことにした。衝動買いだ。
併せて、皮のペンケースも購入した。
正直、そんなに頻繁に使うこともないが、ゲラを送ったりする際に書く一言は、このペリカンを使っている。


80年代の編集業界を描く

橘玲『80s エイティーズ』
副題は「ある80年代の物語」
タイトルと金一色に墨文字だけというブックデザイン(鈴木誠一)に惹かれて読み始める。
著者は1959年生まれとあるから、ぼくより4つほど若いが、80年代は大学を卒業し社会人のなってからの10年間なので、著者が振り返る時代の空気はとてもよくわかる。
卒業して何もわからないまま小さな出版社に入った著者が、転々と編集プロダクションやライターの仕事をしながら、ギリギリのところで転がり落ちていかない。
周辺の人たちは、ひとくせふたくせある人ばかりで、不思議な魅力の回想記だ。
のちにJICC出版局の宝島シリーズの編集者になるのだが、このシリーズは数冊手元にある。
今から振り返れば、すごい人たちが編集、ライターでかかわっていたのだとわかる。
あのシリーズが書き手を育てたというべきなのかもしれない。
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坂手洋二ワールド初体験

今年も12月19日に市民文化ホールで坂手ワールドに浸る。
『くじらと見た夢』
燐光群創立35周年記念公演が、来週岡山で行われる。

『最後の一人までが全体である』
坂手洋二さんの率いる燐光群の舞台を初めて観たのが、この作品である。
会場は倉敷芸文館。大学の寮が舞台の作品だった。
けっして満席とはいえない客席だったが、芝居の熱量に圧倒されて、身体も精神も熱くなっていた。
以来、岡山での燐光群の上演は欠かさない。

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行けば、読み物としての戯曲は好きではないが、つい買ってしまう。
プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに23年間で約630点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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