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社史のイメージを変えたい

アーカイブをベースにしたビジュアルコラムブック

このほどカモ井加工紙100周年記念誌出版『粘着の世界――100人の記憶』を刊行した。
同書は、ハイトリ紙からおしゃれな「mt」まで、同社OBや社員・役員らが証言(インタビュー)を元に、歴史、技術、イベントなどをビジュアル・コラム形式で紹介している。
100周年記念誌として企画した本著では、ハイトリ紙から第1号の和紙粘着テープ、そして現在まで、カモ井加工紙の100年を共に歩んできたOBや現役社員100人に会い、約1年半を費やしてインタビューを行った。
100人の記憶をたどることで紹介したいのは、カモ井加工紙が100年かけて紡いできた粘着の世界。
資料室に眠る古い記録を探し、整理したアーカイブをベースに全体の構成をまとめた。。
今やどこにでもある身近な存在となり、世界的な広がりを続ける「mt」で、岡山を代表するモノづくり企業となったカモ井加工紙。それを支える技術力、デザイン性、そして企画力……「粘着の世界」を支える人たちの物語が企業の魅力だ。
ビジュアルコラムブックという、これまでの社史とはは異なるイメージの書籍となった。
ちなみに市販用2,000部には、初版限定付録に記念オリジナル「mt」3個付きでしたが、すでにほぼ完売。
mtの人気を改めて感じる。『粘着の世界』の厚さ68ミリブログ


■書名:粘着の世界――100人の記憶
■発行日:2023年9月23日 発行
■著者:カモ井加工紙「粘着の世界」編集委員会
■取材・構成:江原紀子
■企画・編集:山川隆之(吉備人)
■カバーデザイン:居山 浩二
■制作:守安涼(吉備人)
■発行:吉備人出版
■仕様 A5判変形(タテ157ミリ×ヨコ148ミリ) 並製本 本文4色 
■ページ数 408ページ
■ISBN978-4-86069-713-6 C0058(その他工業)
■定価:本体価格2000円+税(税込み2200円)

#mt #カモ井加工紙 #マスキングテープ #社史 #アーカイブ #100周年 #吉備人
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アーカイブズのサイトに実績リポート

Business Archives Lab.のサイトに、福原・嘉﨑会計事務所創業20周年記念誌『自利利他ーおかげさまで創立20周年』の実績リポートをアップしました。
吉備人では、企業アーカイブの保存・活用、社史編纂などをサポートしています。お気軽にご相談ください。

#企業アーカイブ #社史 
https://business-archives.jp/report/27/
自利利他_表紙
自利利他_巻頭写真

瀬戸埠頭50周年史

瀬戸埠頭


瀬戸埠頭株式会社50周年社史『せと五十年の歩み――次の50年に向けて』がこのほど完成し、同社への納品が無事終了した。

瀬戸埠頭株式会社は、水島コンビナートの南端、倉敷市児島塩生に広大な敷地に保管能力10万9600トンを誇る巨大なサイロや吊上げ荷重45トン、荷役処理能力1,850t/hの橋形アンローダーを備えた、港湾物流企業。食品原料から石油化学製品など幅広い種類を取り扱い、荷役から保管、流通加工までを行っている。
昭和43(1968)年年10月、三菱商事や日本食品加工、日本農産加工、日清製粉などが発起人となり設立された。
設立したものの、用地の取得や漁業補償などクリアしなければならない課題も多く、必ずしも順風満帆の船出ではなかった。
50年史では、こうした設立から埠頭の建設、設備の増設などを詳しく記録している。

相談を受けて、3社のコンペになり、幸い小社が受注。
2017年7月から編さん委員会に参加し、制作進行管理、原稿作成のサポート、編集、制作、印刷・製本までを担当した。
とはいえ、原稿制作、写真撮影など、同社の編纂委員会のみなさんが、自分たちのちからでまとめたので、こちらは、進捗状況を見ながら、編集、制作実務に集中できた。

途中、社内を案内してもらい、巨大なサイロの屋上まで連れて行ってもらった。
瀬戸内海を一望できる素晴らしい眺めで、こんな仕事でなければけっして足を踏み入れることができなかった場所だ。

社史もいろいろ手伝ってきたが、こんな施設・設備をもった業種は、今後ないかもしれない。

瀬戸埠頭社史イメージ
サイズ:A4サイズ
ページ数:167ページ
仕様:オールカラー印刷 上製本 函入り
書名『せと五十年の歩み――次の50年に向けて』
編集・発行 瀬戸埠頭株式会社創立50周年記念社史編纂委員会
編集協力 株式会社吉備人
印刷 研精堂印刷株式会社
製本 日宝綜合製本株式会社

進化を重ねてきた企業の100年をまとめる

早川ゴム創業100周年誌『温故挑戦――過去に学び、未来に挑戦する』が、このほど完成した。
早川ゴムは、福山市に本社を置く、ゴムの機能性を生かした製品開発・販売を行っているメーカーで、社員数約350人。

大正8(1919)年に創業者早川菊市がゴム履物の生産・販売を始めて創業。その後、再生ゴムを活用した土木・建築部門の止水材や防音材の開発・製造、UVインキの研究・開発。近年は優れた耐久性を必要とする放射戦環境ゴムやスマートフォンなど液晶ディスプレーに使用する高機能粘着材を開発するなど、常に新しい何かを求める研究開発型のメーカーだ。
現在の早川雅則社長は5代目。
2017年5月に、100周年記念事業全般を担当のR社から相談があり、
社史の核となる「100年の歩み」を調査・取材・原稿執筆・編集を担当させてもらうことになった。
声がかかったのは、『岡山ガス「100の歩み」』や『変革と挑戦――丸五ゴム工業60年の歩み』などの実績からだ。
資料集めなどは、コーディネーター役のR社のK氏と早川ゴム社史担当者のM氏がとても協力的で、こちらが必要とする資料類は可能な限り集め、そろえてくれた。
社史をまとめるうえで、最低限必要なものは、年表、株主総会などの事業報告書、社内報などだ。
加えて、10人を超えるOBの方たちにも話をうかがった。
一日で4、5人ものOBに話を聴く作業は相当なエネルギーを必要としたが、資料だけでは得られない生々しい回想はとても刺激的でおもしろかった。
同席していた同社の現役の担当者たちも、興味深く耳を傾けていた。
先輩社員たちが培った「ものづくりのDNA」のようなものが次世代に伝わった貴重なインタビューだった。

取材、編集に約1年半を費やし、A4判、184ページ、並製本カバー付き・ケース入りの100周年誌が完成した。
そのうち、37ページ~119ページの「100周年の歩み」の原稿作成・編集・校正、レイアウトデザイン、および120ページ~127ページの「『温故挑戦』で次の100年へ―早川ゴムの歴史と将来展望」の早川政則同社社長と張楓(福山大学経済学部教授)の対談を担当しました。

先日でき上がった早川ゴム100周年誌、資料やpdfのゲラを段ボールに整理したら、2箱では入り切らなかった。
ファイルは6冊、ノートはB5サイズの厚いものが1冊だった。
で、パソコンのデスクトップには、
関連資料、原稿、写真類、ゲラのpdfなどをまとめたフォルダの情報量がいったいどのくらいあるのかな? とふと思ってみてみたら、なんと111GBという表示だった。
https://business-archives.jp/case/10/

関連webサイト
https://www.hrc.co.jp/
早川naka
hayakawaゴム100

企業アーカイブズと社史編纂の実際(最終回)

蜂谷工業株式会社創業100周年記念誌の編纂から……006

★004-2

■記念誌をどう生かすか

記念式典を終え、記念誌の取材・撮影はすべて終了。
3月は、編集・制作作業のペースを一気に上げ、4月上旬には初校ゲラを提出。
以後、5月末の完成に向け、同社の編集担当者を中心に校正・チェック作業が急ピッチで進められた。
ギリギリまで、写真の差し替え、原稿修正、巻末資料編の追加・訂正作業など、気の抜けない作業が何日も続く。
ただ、社内に編集デザイン担当者の守安涼がいるので、急な対応も細かい指示も心強い。
5月半ば、県立記録資料館への写真掲載許可の申請書などを漏れていた手続きなどを行い、予定より少しだけ遅れて記念誌は校了した。印刷会社には、使用する紙や仕様・製本など事前に打ち合わせしていたので、印刷用データを入れてしまえば、スムーズに印刷・製本の作業へ。気心の知れた印刷会社との仕事にしていたので、比較的問題なく進んだ。

5月26日午後、予定通り蜂谷工業へ無事納品。
納めた記念誌を手に取った編集委員の一人から
「ありがとうございます。山川さんがいなかったら、できてないわ~」と言ってもらえた。

この100周年記念事業で、吉備人でかかわらせていただいたのは、創業100周年記念誌の企画・編集・制作、WEBサイトのリニューアルのディレクションとテキスト編集、記念動画の制作協力と監修。同社とはこれを機に、WEBサイトの取材・編集のサポート、リクルート用パンフレットの編集・制作、CSRリポートの企画・編集など広報支援、同社の企業アーカイブズにかかわる業務を引き続きお手伝いできたらと提案している。

創業から100年という歴史の積み重ねは、この10年、20年に誕生した企業にはない100年企業ならでは価値であり、地域社会からの信頼の証でもある。
ローカルゼネコンとしての誇りを胸に、地域になくてはならない存在として、蜂谷工業は、まじめな技術者集団であり続けてほしいと思う。

(2017年6月12日・記)
★005






プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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