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「聞き書き」と「自分史」

4月から「自分史セミナー」の講師を始めた。
かつての職場だった岡山リビング新聞社の事業担当者から
「カルチャー俱楽部で自分史の講座しませんか?」と打診されたのがきっかけだが、
3年続いた週に一度のラジオの担当も外れたこともあり、
月に一度くらいの講座ならそれほどたいへんでもないだろうとその気になった。

月曜日に1回目の講座があった。生徒は女性ばかり3人。
講義形式ではなく、ワイワイガヤガヤと和やかな井戸端会議的な講座になりそうだ。
セミナーを始めるにあたって、自分史編集に関する参考書を数冊見直した。
なんと、10冊近い自分史関連の本が書棚にあった。
以前から興味と必要性の両方を感じていたので、
これはという自分史関連(中には個人史とか回想記、自伝などという呼び方のものもある)の本は買い集めていたのだと思う。

「自分史」という言葉に初めて出合ったのは、25年ほど前になる。
三重県津市で地方紙の記者を3年、岡山にもどって生活情報紙の編集者を4年やって、
妻の実家がある県北新見の備北民報というローカル新聞社の出版部に入った。
そのころ創業30年を迎えた同社が出版部をつくることになり、それに応募したら採用された。
とはいえ、それまで本の編集・制作の経験はなかった。
新聞の記事を書いたり、見出しをつけたり、レイアウトするのとはまったく違う仕事だ。

入社してすぐ本づくりの仕事が入ってきた。
元学校の先生だった明治生まれの女性の自分史だった。
ノートに書きためたものも少しはあったが、大半は聞き書きで文章にまとめることが必要だった。
2週間に一度その著者の自宅で、約2時間話を聞く。
次のときには聞いた話を原稿にまとめ、それを確認してもらい、また話を聞く。
そんなやりとりを半年ほど続け、四六判200ページほどの自分史は完成した。

本を作るのも初めてだったが、まるごと一冊分の分量の原稿を書いたのも初めて。そしてこの原稿を書くにあたって当時出始めたワープロを買い、それを使い方をマスターしながらの作業だった。
おかげでずいぶんいろんなことを身に着けることができた。

これが本づくりの「原点」だったためか、
それから「聞き書き」と「自分史」という2つの言葉が、ぼくの身体から離れない。
昨年4月からスタートした「聞き書き人の会」も7,8人のメンバーで2年目に入った。
先日の例会で、今年は作品集を作ろうという話になった。

「聞き書き」と「自分史」、大切な柱だ。
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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに23年間で約630点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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