なんとなくクリスタル、なんとなく重苦しい
今年の冬、特にこのところは寒さも和らいで、昨年、一昨年のような寒さを感じない。
朝晩、海渡の散歩もそんなに苦痛ではなく、むしろ寒さの中を歩くのが気持ちいいくらい。
このまま春までとは思うけれど、そうは問屋が卸してくれないだろう。
毎月一度、朝のラジオ番組で本の紹介をしている。月に一度なのに、8時半からという時間帯は車で出勤している人も多いせいか、「ラジオ聴きましたよ」と声をかけてもらえる頻度は、午後のラジオよりもやはり多いような気がする。
朝のラジオでは、自社の本は紹介せず、自分が読んでこれはというものを紹介することにしている。今朝は田中康夫『なんとなくクリスタル』と『33年後のなんとなくクリスタル』の2冊。
選考基準は、読んで面白かったもの、何かひっかかったものがあるもの。ただ、それだけで選ぶと、出版関係や地域づくりといった少し狭い範囲になりがちなので、ある程度ポピュラーな内容のものを選ぶようにしている。
そうこうしていると、このラジオのために本を選び、読むようになる。それはある種の義務のようでもあるけれど、そういう縛りがあることで、通常ならスルーしてしまうような本を手にして、しかも人前で話すことができるくらい真剣に読む。
そこには当然、その本を他の人がどう読み、どう評価しているのかも気になる。だから、紹介する本プラス書評を読み、ラジオで何を伝えるのかを考える。
そういう読み方をしていると、思わぬ魅力や面白さを感じることがある。
そう、『なんとなくクリスタル』『33年後…』も通俗的な小説としても読めるけれど、高度経済成長以降1980年代から現在までの社会批判という読み方もできないこともない。
仕事があり、家族がいて、食事や酒、そして飼い犬に安らぎを感じながらも、近い将来に不安を抱えながら過ごす日々。先が見えないのではなく、先が見えるからこそ、こうした思いが、どこか体の億のほうにくすぶっているのかもしれない。
33年後のなんとなくクリスタル
朝晩、海渡の散歩もそんなに苦痛ではなく、むしろ寒さの中を歩くのが気持ちいいくらい。
このまま春までとは思うけれど、そうは問屋が卸してくれないだろう。
毎月一度、朝のラジオ番組で本の紹介をしている。月に一度なのに、8時半からという時間帯は車で出勤している人も多いせいか、「ラジオ聴きましたよ」と声をかけてもらえる頻度は、午後のラジオよりもやはり多いような気がする。
朝のラジオでは、自社の本は紹介せず、自分が読んでこれはというものを紹介することにしている。今朝は田中康夫『なんとなくクリスタル』と『33年後のなんとなくクリスタル』の2冊。
選考基準は、読んで面白かったもの、何かひっかかったものがあるもの。ただ、それだけで選ぶと、出版関係や地域づくりといった少し狭い範囲になりがちなので、ある程度ポピュラーな内容のものを選ぶようにしている。
そうこうしていると、このラジオのために本を選び、読むようになる。それはある種の義務のようでもあるけれど、そういう縛りがあることで、通常ならスルーしてしまうような本を手にして、しかも人前で話すことができるくらい真剣に読む。
そこには当然、その本を他の人がどう読み、どう評価しているのかも気になる。だから、紹介する本プラス書評を読み、ラジオで何を伝えるのかを考える。
そういう読み方をしていると、思わぬ魅力や面白さを感じることがある。
そう、『なんとなくクリスタル』『33年後…』も通俗的な小説としても読めるけれど、高度経済成長以降1980年代から現在までの社会批判という読み方もできないこともない。
仕事があり、家族がいて、食事や酒、そして飼い犬に安らぎを感じながらも、近い将来に不安を抱えながら過ごす日々。先が見えないのではなく、先が見えるからこそ、こうした思いが、どこか体の億のほうにくすぶっているのかもしれない。
33年後のなんとなくクリスタル
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