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なんとなくクリスタル、なんとなく重苦しい

今年の冬、特にこのところは寒さも和らいで、昨年、一昨年のような寒さを感じない。
朝晩、海渡の散歩もそんなに苦痛ではなく、むしろ寒さの中を歩くのが気持ちいいくらい。
このまま春までとは思うけれど、そうは問屋が卸してくれないだろう。

毎月一度、朝のラジオ番組で本の紹介をしている。月に一度なのに、8時半からという時間帯は車で出勤している人も多いせいか、「ラジオ聴きましたよ」と声をかけてもらえる頻度は、午後のラジオよりもやはり多いような気がする。
朝のラジオでは、自社の本は紹介せず、自分が読んでこれはというものを紹介することにしている。今朝は田中康夫『なんとなくクリスタル』と『33年後のなんとなくクリスタル』の2冊。
選考基準は、読んで面白かったもの、何かひっかかったものがあるもの。ただ、それだけで選ぶと、出版関係や地域づくりといった少し狭い範囲になりがちなので、ある程度ポピュラーな内容のものを選ぶようにしている。

そうこうしていると、このラジオのために本を選び、読むようになる。それはある種の義務のようでもあるけれど、そういう縛りがあることで、通常ならスルーしてしまうような本を手にして、しかも人前で話すことができるくらい真剣に読む。
そこには当然、その本を他の人がどう読み、どう評価しているのかも気になる。だから、紹介する本プラス書評を読み、ラジオで何を伝えるのかを考える。
そういう読み方をしていると、思わぬ魅力や面白さを感じることがある。
そう、『なんとなくクリスタル』『33年後…』も通俗的な小説としても読めるけれど、高度経済成長以降1980年代から現在までの社会批判という読み方もできないこともない。

仕事があり、家族がいて、食事や酒、そして飼い犬に安らぎを感じながらも、近い将来に不安を抱えながら過ごす日々。先が見えないのではなく、先が見えるからこそ、こうした思いが、どこか体の億のほうにくすぶっているのかもしれない。

33年後のなんとなくクリスタル
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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに23年間で約630点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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