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人はなぜ「自分史を書くのか」

県立図書館「自分史の書き方」800


先週の土曜日(17日)、岡山県立図書館で「自分史の書き方」と題してお話してきました。
参加されたのは30人。90分間ノンストップでしゃべったのですが、
とても熱心に耳を傾けていただき、ついつい熱がこもってしまいました。

参加者の方に伝えたかったのは、「個人の歴史であっても、それは地域社会の貴重な記録でもある」ということ、そして「自分史」という本をつくることが目的ではなく、「自分史をつくる過程を楽しむこと」という2点でした。

「どのように書いたらいいのか」という問題意識を持って参加された方にとっては、少し消化不良だったかもしれませんが、それを90分の講義で説明するというのは難しいかもしれません。
今回の講義にあたって、何冊かの自分史関係の本を読み返してみましたが、保阪正康『自伝の人間学』(新潮文庫)、穐吉敏子『ジャズと生きる』(岩波新書)、森まゆみ『抱きしめる、東京』(ちくま文庫)などが参考になりました。
なかでも『自伝の人間学』に、「昭和20年頃まで、日本には夜ごと地域の人たちが夜ごと集まっては、酒を酌み交わしながら(女性はお茶を飲みながら)、自らの半生を語りあっていた風習があり、現代では、それが文字かされる形式いなった」という意味のことが書かれたあり、私たちが自分史に向かう理由のようなものが、少し理解できたようにも思います。

人はだれも「語るべき人生」があり、「人生を書き残す」ことは、つまり人として当たり前の行為ということなのでしょう。
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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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