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瀬戸内市民図書館と業界の未来

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先日のNHKのローカルニュースや一昨日(11月29日付け)の朝日新聞で、瀬戸内市民図書館がLibrary of the Year (LoY) 2017 に、大阪市立中央図書館などと共に優秀賞・ライブラリアンシップ賞を受賞したことを紹介していた。
6年間に及ぶ的確な図書館整備プロセスとこれからの図書館サービスのモデルを示したことを評価されたそうだ。

先日、公益社団法人福武教育文化振興財団の機関誌「fueki」の取材で、
この瀬戸内市民図書館にお邪魔し、館長の嶋田さんに案内してもらった。

入館してすぐ、小さなこどもたちが遊べるスペースがあり、
サービスカウンターから東に、地域の今、そして文化と歴史を紹介する地域郷土資料スペース「せとうち発見の道」が広がります。
館内には、古代の遺跡から、お年寄りの回想法に関連して昭和の時代の電化製品などを展示。
認知症にやさしい図書館プロジェクトのコーナーや瀬戸内市が誇る国際的な糸操り人形作家、竹田喜之助を顕彰するギャラリーもある。
「図書館というのがまだまだ読書に対するイメージで文学という要素があるので、通読するということじゃなくて、参照読書も含めて、何か困ったことがあったら図書館に行けば本、雑誌、司書というナビゲーターの役から何かしらヒントが得られるんじゃないかというふうに思ってもらえる人を一人でも増やしたいということですね」という嶋田館長の言葉が印象的だった。

岡山県内には、このほか、高梁市立図書館、新見市立図書館、玉野市立図書館がこの一年の間に開館し、真庭市でも来年度の開館に向け建設が進んでいる。
どの図書館も運営方法はまちまちだが、利用者と共に図書館をつくっていこう、そして本の貸し出しだけでなく、
地域の「知の拠点」としての役割を、図書館が担っていこうという試みが随所に現れていることではないだろうか。

一方、出版業界、出版社の一部では、図書館は無料貸本屋、図書館があるから本が売れなくなったという声も強い。
図書館を利用している地域の人々を敵に回すような発想で、果たして本の未来を守ることができるだろうか。
図書館と書店は、その目的も役割も異なるし、今、図書館は地域再生の一つ拠点として役割を果たそうと、進化しようとしている。
本の周辺で生きている我々も、こうした図書館の先進的な活動に学び、地域で求められる存在にならなくてはとも思う。

瀬戸内市民図書館01


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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに23年間で約630点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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