25年目の春

吉備人はこの春、25年目に入ります。
新しい年度のはじまりです。
吉備人は、この春から25年目に入ります。これからの一年を無事乗り切れば、2020年4月が25周年というわけです。
先日、県内で郊外店を数軒経営されていた独立系書店の社長さんから電話をいただきました。
「残念なお知らせですが、○○店と○△店をそれぞれ5月と7月で閉めることになりました」という連絡です。
一時期は県南に5、6個所あった実店舗はすべて閉店。今後は雑誌のネット販売と外商に絞って経営を続けていくとのことでした。
もうひとつ残念なニュースですが、業界誌の『出版ニュース』が3月をもって終刊。70年続いた歴史に幕を閉じました。
書店や図書館、そして出版社にとってはとても重要なものだっただけにとても残念です。
本と読者を結ぶ接点は、急速に変化しています。
小資本の中小規模の独立書店は撤退を余儀なくされ、今後人口減少と伴い、本の売上は加速度的に減少するのではないかという不安を拭えません。
先日瀬戸内市民図書館で講演する機会を与えていただき、その内容を考えながら、地域出版の今後を考えました。
こうした状況のなかで、本をどうつくり、どのように読者に届けるか――いま、地域で本と携わるものとして、存亡をかけた問いを投げかけられているのではないか、そんな気がしました。
25年目に入り、その歴史の1ページを記すにあたって、吉備人の決意(のようなもの)を記録しておこうと思います。
本をめぐる環境の変化には対応しなければなりません。
でも、「本」をつくることは変わりなく続けます。
本とデジタルで地域の記憶を記録する。
それが吉備人の仕事であり、役割だと思います。
ローカルにはローカルの編集、出版社が必要だと言い続けてきました。
地域の本がないところに、地域の豊かな文化は育たないとも思っています。
本とデジタルで地域の記憶を記録する――25年目の吉備人を、今後ともよろしくお願いします。
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