fc2ブログ

批評とはなにか

アメリカのテレビドラマ「er」を観ていて(これはずいぶん前のことだが)、医療の世界は、症例検討会というものがあって、一人の患者の治療や処置について、医師や看護師、関係する医療スタッフが、その病気や治療法方法について、それが適正、妥当であったかを話し合うシステムがあることを知った。

本をつくる世界において、こういうシステムがあってもいいかなと思う。
できあがった本について、著者との対応、編集の方針、想定、販売戦略など、できあがっている本について、きちんと評価し合うことがあってもいい。
そこで、批評、批判されても、それをちゃんとやっておくと、やっておかないとでは、次の本をつくるときの差が出てくる。

評論家、という言い放ち方は、ときとして否定的に使われることが多い。外野席から好きなことを言っているみたいな。
でも、そういう批評、評論をする専門家は必要じゃないかと、最近思うようになった。
批評する力が必要であるし、批評するための信頼関係も求められる。

今夜は、ある団体のウェブサイトを運営しているWEBデザイナーとデザイナー、編集責任者たちと意見交換をしたのだが、話の盛り上がりのなかで、担当者が責任を持って、作り上げた後に、それに対するきちんとした評価こそが、進歩につながるんだなということを再認識した。
真剣に、自身の責任でつくったものだからこそ、その結果について語られることに意味がある。
それを受け止めることが、成長につながる。

クリエイティブの分野における症例検討会、その意義を考え、小社の出版活動にも取り入れたい。

寒い朝、夜明けが少し早くなってきた。

朝200131

スポンサーサイト



プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR