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新型コロナウイルス対策は政権を変えることから

4月5日

自宅でパソコンに向かう時間が長くなっている。
可能な限り外出を避けて自宅に籠もる。
それでも仕事はしなければならないので、パソコンに向かう。
新聞や本を読む時間も、いつもより増えているので、それはそれでうれしいのだが、それに比例するように考える時間も多くなる。

先週買った三島邦宏さんの『パルプノンフィクション』(河出書房新社)を読み終えた。業界でも注目のミシマ社の代表が、この数年間の出版業界と自社の内実を書き記した本。後半、順調に船出したミシマ社が、拠点が増え(東京と京都)メンバーも多くなって、経営的にけっこう厳しくなったり、組織運営が思うようにならなくなったところを、かなり赤裸々に書いている。
吉備人はミシマ社ほどスタッフの数も多くはないし、ミシマ社のような<紙の本>に対するこだわりや意識が高くもないが、書かれているような悩み、ジレンマはよくわかる。

パルプノンフィクション

ぼくは学生のころから引っ越しや部屋の模様替えが好きで、時々無性に居場所を変えたくなる。もともと日々同じようなことを繰り返す生活をしているので、環境的な変化がなければ思考や人間そのものが沈殿していってしまうような感覚に襲われる。
だから時々、吉備人などもいったん解散して一からやり直してみようかとか、仕事場をどこか田舎の方へ移してしまおうかとかなどと考えてしまうこともある。
この二つなどは極端で、現実的ではないが、今の吉備人のあり方、仕事のやり方など、ミシマ社が取り入れたチーム制(詳しいことは本書で確認してください)なども参考にしてもいいななどと思ったりもする。

もうかれこれ2年以上も前から、事務所のレイアウト変更をしよう、仕事のやり方でできあがった本を検証する「カンファレンス」のようなこともやろうと言っているのだが、ほとんど何もできず日々が過ぎている。
自分でもできない理由をいくつもあげることができるので、それはそれで仕方ないことなのだが、やろうと思っていて、できていないことにものすごくストレスを感じる。

だから、コロナウィルス感染対策で在宅ワークも、いろいろ不便はあるけれど、これはこれでいろんな可能性を考える意味で前向きに考えようとも思う。

考えていることのもう一つは、このコロナウィルス感染という事態において、現在の政治的指導者はアテにならないということを痛感しているということだ。
ネットやメディアでは、もう多くの人がその理由を表明しているので、ここで改めて書くことはしないが、とにかく人の命と生活を守ろうという、もっとも基本的なところが欠如している点は、指導者としての資格に欠けていると言わざるを得ない。
彼らがやっていることで、共感、納得できることは皆無といっていい。
私の命と生活を、この政権に委ねることの絶望感と怖さをひしひしと感じる。

「国難だから批判など置いておいて、みんなで力を合わせて乗り切ろう」とう意見も散見するが、国難を乗り切るための舵取りが誤っている船に、だれも乗り続けていたいとは思わない。今の政権ではなく、与野党一緒になってでもいいので、新型コロナウイルスを乗り切るための暫定的な政府をつくるくらいのことができないのか、と強く思う。
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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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