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福武教育文化振興財団Webリニューアル

「つながることの力」をつくる・信じる・支える

2022年4月6日RSKテレビ「メッセージ」でペパーランドの能勢伊勢雄(ライブハウス「ペパーランド」主宰)さんを特集していた。
その中で、
「つながりの力を信じている」(という意味の)という言葉があった。
ライブハウスも、つながることを求めての場。「ひとりで来ても独りにはさせない」と。
10歳代から20歳代では当たり前のように思っていた、「つながることの力」を、ずいぶん長い間に忘れてしまっていたように思う。
「つながる」ことは、「個」をより強くする。
「つながる」ことが、前に進む力になる。
「つながる」ことで、ひとにやさしくなれる。

 2022年4月1日、公益財団法人福武教育文化振興財団のWebサイトが新しくなった。
リニューアルのポイントは、ひとつは財団サイトとandFサイトの大きくふたつのサイトに分かれたこと。
 4月1日に配布された同財団の報道資料によると、「ひとつは、公募助成や福武教育文化賞など財団の事業について掲載したサイト。もう一つは、主に当財団が助成した個人・団体の活動を取材し、発信するメディアサイト「 and F (アンド エフ)」サイトです。併せて、and F (アンド エフ)のロゴ&マークを作成いたしました。
 岡山を拠点に教育と文化に貢献している「人」を大切に、これからも継続的な応援を目指していきます」とある。
 同財団の広報活動及び今回のサイトリニューアルに関わってきた者として、財団が何を考え、何を求めてサイトのリニューアルに取り組んだのかをまとめておきたい。

 同財団の公式Webサイトは、2014年度にそれまでのサイトを構成もデザインも全面的に設計し直した。田中雄一郎のデザインによるマーク、ロゴタイプを制定し、財団イメージもずいぶん変化するなかで、その一貫としてWebサイトリニューアルを行った。
 サイトのデザインは佐藤豪人(SATO HIDETO Design.)、テクニカルな部分は三宅真人(トライマンデザイン)、全体の編集・進行管理は山川が担当した。このサイトは、財団関係者や周辺の助成団体などから、財団の諸活動が整理され、美しくわかりやすいとの評価を得ていた。

 徐々に広範になる情報

 ただ、時間の経過とともに、財団の活動内容の増大、活動範囲の広がりにともないサイト内の編集、整理が当然のことながら必要になる。また、この間、財団の力点は方向性がより明確になったことで、その柱である助成団体へのサポート、フォローの必要性が高まり、サイトの求められる役割も「知らせる・知ってもらう」に加え、「支える・つなぐ」といった側面が強くなってきた。
 こうした課題は、昨年(2021年)夏前にサイトリニューアルの方向性についてのヒヤリングで明らかになった。
以下、財団事務局からサイトリニューアルに際してのメモ。
●リニューアルの概要 
これまでの公式な情報(公募申請・受賞者等)に、活動のフォローアップ情報(取材・動画等)を追加する。
●リニューアルの背景
・2014年度リニューアル
・2020年度コロナ禍において閲覧数30%減(facebookの「いいね」、フォロワーは増加)
・2021年度11月から電子申請スタート
●サイトの課題
・facebookで発信している情報で完結(それ以上の情報がwebにはない)、閲覧数の減少
・各メディア(FUEKI、成果報告書、facebook、web等)を有機的につなぎたい
・facebookとwebの情報の出し方を明確にしたい
●サイトリニューアルの目的
・活動の一歩を踏み出せるようなサイトにする
・フォローアップ、マッチングの機会をつくる
・ファンを増やす
●ターゲット
・市民活動をしている個人・団体
・助成した団体や活動の支持者、協力者、ファン
・助成対象者のコミニティ
サイトリニューアルリポート


 こうした問題提起に対し、次のような分析・解釈とリニューアルの方向性を提案した。
1)団体が取り組むイベントや企画の情報を財団のHPで広報できるような、文化・教育の情報サイトにしてはどうか。
現在は、新聞の催し欄に掲載されるくらいなので、新聞をあまり読まない世代などには、そのサイトに行けば教育・文化に関する信頼できる情報にふれられるといいのでは。
2)少なくとも、財団の周辺(近いところにいる)にいる団体なり個人が、何かを呼びかけたいとかPRしたいという時に、そのサイトを活用できる、情報交換できる機能が必要である。
3)事前の告知の場合もあれば、実践したことの報告、その中味などWebサイト上で情報交換したり、交流したりできるようになると、財団との密接度もさらに高くなる。財団との密接度が高くなれば、その団体や個人の周辺の人たちに輪がひろがるのではと思う。

こうした方向性をたたき台として、財団トップである松浦理事長をはじめ事務局とサイトに関わってきたスタッフで何度かミーティングを重ねた。その結果、次のような3つのサイトを構築し、それぞれに目的と機能を持たせた。

1)財団に基本的な活動内容を告知するための「財団サイト」
2)教育や文化の分野で活動している人、活動しようとしている人たちのつながりを促進するための交流サイト「andF」
3)財団の周辺、とくに助成を受けた団体・個人をデータベースにした「アーカイブサイト」
財団の主たる事業である、助成や表彰といったことについては、財団サイトに。
新たにリリースする「andF」サイトでは、財団と財団が応援する教育・文化で活躍するアクティビストたちとの交流、そしてアクティビスト同士のコミュニケーション、連携、情報交換、情報発信をはかる。
アーカイブサイトでは、過去の成果報告書でのデータをもとにアーカイブ化を図り、エリアやジャンル、キーワードを元に「だれが」「どこで」「何を」ということがすぐわかるようにする。

財団サイト:https://www.fukutake.or.jp/
andF サイト:http://www.fukutake.or.jp/andf/ http://http://www.fukutake.or.jp/andf/
アーカイブサイト:https://www.fukutake.or.jp/archive/

この3つのサイトが有機的に機能することで、岡山の教育・文化に関わるさまざまな情報や取り組みを知ることができ、また必要に応じて「つながり」やすくなる。その結果、質的にも量的にもより活動がレベルアップし、広がりを持つことが期待できるのでは、と考えている。

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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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