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地方の企業の歴史をドラマチックに紹介する岡山ビジネスライブラリィ

160107ビジネスライブシリーズ

吉備人出版ではいくつかのシリーズを手がけています。
その一つが、岡山ビジネスライブラリィ。これまで、『粘着の技術』(カモ井加工紙/編)、『小さなパン屋の革命』(おかやま工房・河上祐隆/著)、『強く、やさしく面白く』(ダイヤ工業/編)の3冊を刊行し、このほど4冊目として『地域と企業の発展が私たちの願いです』(アルマ経営研究所/編)を刊行しました。

この岡山ビジネスライブラリィは、地域で永く事業を続けている企業およびその経営者の歴史や業績を、地域の産業史、ビジネス史として後世に残していこうと企画したものです。
当時まとめた企画書には、こんな文章を書いています。

「これまで、企業の歴史は、社史、記念誌という形で周年記念などを機会にまとめられてきました。
そしてその多くは、社内及びその関係者のみに配布され、多くの人の目にふれる機会は限られています。
 しかし、企業、法人が社会的存在である以上、その歴史や活動の記録は広く市民の関心を集めるところであり、地域社会の財産として希望する人たちの目に触れ、手に取ることのできるものでありたいものです。
 そのためには、図書館などで展示保管、閲覧できることはもちろん、書店などに置いて、より多くの読者の目に触れ、読まれることができるようにすることが必要だと考えます」

このシリーズは、その企業と吉備人が協働してつくり上げていく方式を取っていて、資料の提供やインタビューにより、原稿作成や編集は吉備人で作成して、企業側にはできるだけ負担を少なくしています。また、A5判サイズでページ数も150ページから200ページとコンパクトにまとめ、写真、図版を数多く掲載し、気軽に手に取りやすい編集にしています。
そして、だれもがいつでも手に取れるようにISBNを付記し、書店で販売もしています。

このISBNの付記、書店での販売というのが大きな特徴で、企業としてはおつきあいのある人や関係者以外にも、自社の歴史や企業内容を知ってもらえる、エリア外へも情報発信が可能になります。
地域の産業史としての資料的な側面も持っているので、研究者や学生が必要とする場合も簡単に入手できます。
もちろん、企業自身としても自社の歩みを本にすることで、思わぬ成果を得たということもあります。

カモ井加工紙株式会社の鴨井尚社長は、『粘着の技術』を出版してからのことを、こんなふうに話しています。
「出来上がった本を手にして感じたのは、自社の歴史が整理でき、どんなことを取り組んできたのかを改めて確認できたのが良かったですね。
 ハイトリ紙からスタートした会社ですから、需要が減ったり、海外の製品に押されたり、苦しい時期は何度となくありました。
 私や社歴の長いものが、折りにふれ会社のこれまでの歩みや苦労を、若い社員たちに話していたのですが、文字になったものを読んで、「話には聞いていましたが、こんなことがあったのですね」と、納得してもらうことができました。言葉だけではない説得力が本にはあるのでしょう」。

また、『小さなパン屋の革命』を出版した(株)おかやま工房の河上祐隆社長は、「数年前から小規模ベーカリーの創業支援を行う「リエゾンプロジェクト」を展開しているのですが、多くはネットからの問い合わせでした。本の刊行以後、そのネットからのリエゾンプロジェクトへの問い合わせ件数が急増しました。
本をだしたことで、検索されやすいということがあるのでしょう。
もう一つは、出版したことでホームページやパンフレットなどだけでは伝わらない部分が相手に届き、より信頼を得られたのではないかということです。
これまでリエゾンプロジェクトによって創業した方が全国にいらっしゃるのですが、本を読んで、「よりファンになりました」と言ってくださるオーナーさんが何人もいたのです。
また、従業員もふだんはあまり話をする機会がないですが、本を読んでから親しみを感じてもらえるようになったみたいです。仕事に誇りが持て、コミュニケーションの不足を本が補ってくれているみたいですね」と話しています。
同社は一昨年、創業30周年を迎え、全国各地で小規模パン屋さんの創業支援を展開するほか、アジア、アメリカなどに現地法人を設立し、世界各国で、おいしく安心・安全な日本のパンづくりを広げています。

ダイヤ工業株式会社の松尾正男社長も、創業50周年を迎えるにあたって、半世紀の社史をまとめながら、次の半世紀につながるビジネス書にもなるような書籍にしたいと、『強く、やさしく、面白く―ダイヤ工業〈創造と変革〉の半世紀』を出版。「新社屋のオープンに合わせ刊行し、披露パーティーでは引き出物として列席者手渡しました。特に当社の商品を支える整骨院の先生からは、『ダイヤ工業のモノづくりにかける情熱や姿勢がよくわかった』とたいへん好評を得た」と喜んでくださいました。

岡山から全国へ、そして世界へ……地域の人々に支えられ、地域とともに成長してきた全国に誇れるそんな企業が、岡山にはたくさんあります。
「岡山ビジネスライブラリー」は、そんな企業と働く人々の姿を多くの人に世代を超えて知ってもらうシリーズを目指しています。


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プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに23年間で約630点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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