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小池真理子のエッセーから藤田宜永を読む

済生会の施設にいる母親のところへ洗濯物を届けて、帰りに表町界隈をブラブラ。
例年なら大誓文払いで賑わう商店街も、人影も心なしか少なめ。
祝日なのに火曜日のためか、立ち寄ろうかと思っていた店も休みだった。
丸善岡山シンフォニービル店で雑誌を眺め、海華楼で天津飯を食べて、天満屋へ。
4階の紳士服売り場で、気に入ったジャケットに出合う。
妻は駅前に用事があるというので、先に帰宅し、午前中の仕事の続き。

4,5日前から藤田宜永の『喝采』を読んでいる。
今まで読んだことのない作家だったが、朝日新聞の土曜日別刷り「be」に小池真理子のエッセーが連載されていて、亡くなったパートナーの藤田宜永のことが出てくる。
2,3週前小池真理子のそのエッセーで、亡くなる前の藤田が、小池真理子が買ったピアノで弾き語りをした思い出を書いていた。
藤田はニルソンの「うイズ・アウト・ユー」を弾いたという。
それからしばらくして藤田はガンで亡くなるのだが、そのエピソードは、まるで小説のなかの世界のようだ。

で、急に藤田宜永の作品を読みたくなり、数冊手にした一冊が『喝采』(早川書房)というわけだ。
私立探偵が主人公のハードボイルド。タイトルから想像できるように、飲み屋やバーが舞台になる。
そのなかでちょっと気になったのが、ある店に入ると「バド・パウエルのギターがかかっていた」というくだりが出てくる。
バド・パウエルは有名なピアニストだし、何かの勘違いだとは思うのだが、ひょっとしてギターも弾いたのかなとも思ってしまった。(祖父はフラメンコギタリストだったそうだ)

だからといって、主人公が追っている殺人事件の展開とは関係ない(はず)のだが、こうした小道具一つひとつがハードボイルドなのだから、著者だけでなく、編集者や校正者のミスではないかと思う。

とはいえ、物語の展開は面白いので、もう何冊かは藤田宜永の世界を味わってもいいかなと思っている。
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続いてますね。いつまでかなと思ってましたが、今回は本物のようです。継続は力なりより継続は、才能なりです。
プロフィール

kibitopub

Author:kibitopub
山川隆之
編集者、吉備人出版代表。1955年岡山市生まれ(旧姓・長井)。岡山市立操南小学校—倉敷市立大高小学校から、倉敷市立南中学校・県立天城高校・三重大学農学部卒業。伊勢新聞記者、備北民報、生活情報紙「リビングおかやま」編集長を経て95年に株式会社吉備人を設立。『絵本のあるくらし』『おかやまの建築家』『のれん越しに笑顔がのぞく』『粘着の技術−カモ井加工紙の87年』『強く、やさしく、面白く』などの編集を担当し、吉備人出版としてこれまでに27年間で約780点を出版。日本出版学会会員、デジタルアーカイブ学会会員、岡山ペンクラブ会員。2012年に福武教育文化賞奨励賞、2013年に岡山市文化奨励賞(学術部門)を受賞。RSKラジオ「ごごラジviviっと!」ゲストパーソナリティー。著書に『岡山人じゃが』(共著)など。

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